Ⅱ音の奇異性分裂

投稿日:2017年5月16日 更新日:

正常では吸気時の静脈還流量の増加によりⅡ音の分裂を認めることはあるが、これが逆になり、呼気時でⅡ音の分裂が起こり、吸気時に分裂がなくなる心音が聴取されることがある。これを奇異性分裂という。

これは大動脈弁狭窄症(AR)や左脚ブロック、高血圧症など見られる。たとえば左脚ブロックでは左室収縮開始が右室のそれよりも遅延するため、収縮の終了(大動脈弁の閉鎖)も遅れるために、分裂すればⅡP、ⅡAの順となるのである。

吸気時にもⅡAが遅れるが、同時にⅡPも遅れて生じるため、単一の音に聞こえる。一方、呼気時にはⅡAだけが遅れるため、ⅡPの後にⅡAが聞こえる状態となる。

奇異性分裂
奇異性分裂

生理的分裂(吸気時分裂)
吸気時には胸腔内圧が陰圧になるため、右心系への静脈還流量が呼気時に比して増加する。そのため、右室から肺動脈への1回拍出量も呼気時に比して多くなる。これが右室の収縮終了時間を一瞬遅延させる理由である。分裂時間の間隔は約0.03秒くらいである。
生理的分裂

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