循環血液減少性ショックの原因、症状、診断、治療

循環血液量減少性ショック(hypovolemic shock)は、出血や脱水が原因で、心臓が十分な血液を末梢に送り出すことができずに血圧低下が起きるショック状態である。早急に対処しないと臓器不全をきたす。

循環血液減少性ショックの原因

通常、体の循環血液量の約5分の1を失うと血液量減少ショックが起こると考えられている。

体の血液を失う原因としては以下が挙げられる。

  • 外傷による出血
  • 血漿喪失(重度の火傷、体液損失を伴う)
  • 体内ナトリウムや、それに伴う血管内水の損失(例えば、重症の下痢でも腸管から大量に水分が失われれば起きうる)

循環血液減少性ショックの症状

循環血液量減少性ショックでは以下の症状が見られる。

  • 顔面蒼白(Pallor)
  • 脈拍触知不能(Pulselessness)
  • 冷汗、冷感(Perspiration)
  • 虚脱(Prostration)
  • 呼吸不全(Pulmonary insufficeincy)
  • 不安や興奮
  • 尿量減少

特に、蒼白(Pallor)、虚脱(Prostration)、冷汗(Perspiration)、脈拍触知不能(Pulselessness)、呼吸不全(Pulmonary insufficeincy)はショックの主要症状で5Pと呼ばれている。

循環血液減少性ショックの診断

全血量の10〜20%以上が失われると頻脈、低血圧、末梢灌流の低下による冷感、冷汗などの皮膚徴候が見られる。また、爪床へ潅流が不十分になるので毛細血管再補充時間(CRT)の延長が見られる。一般的なショックの共通症状として患者は、めまい、吐き気・嘔吐、口渇感などを自覚する。

また小児の場合は、循環血液量の減少にもかかわらず、胸痛などの特有な症状が見られず、意識低下や消化器症状、多呼吸など一般的な病気と鑑別が難しい場合もある。小児では成人よりも長い時間、血液量の現象に対して血圧を維持する代償を行い、代償不全が始まると急速に悪化していくケースが多い。

循環血液減少性ショックの治療

院外で緊急の処置が必要な場合は、①低体温を避けるために暖かい毛布などをかぶせ、②心臓への静脈還流量を増やすために脚を挙上する(ただし、脚にけがを負っている場合は例外)。

運ぶ際は、頭を下に下げ、脚を上に持ち上げながら水平位を保つ。ただし脊髄損傷などが疑われる場合は、動かす前に、頭と首を安定させる。

病院の治療では、末梢静脈と中心静脈の2カ所において輸液を行う。同時に脈拍・血圧のモニタリングを行い、尿量が0.5〜1ml/hg/hrを確保しながら過剰輸液にならないようにする。

血圧低下をきたしている場合は心拍出量を増加させるために、ドパミンやドブタミン、カテコラミンなどの薬剤を投与する。

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