輸血後移植片対宿主病(GVHD)

投稿日:2017年6月20日 更新日:

輸血後移植片対宿主病(GVHD)移植片対宿主病(GVHD)とは移植されたドナー由来のTリンパ球がレシピエント臓器(HLA抗原)を非自己と認識して攻撃する免疫反応である。

特に輸血によって起こるGVHDは、輸血後GVHDと呼ばれる。典型的な輸血後GVHDは輸血してから1~2週間で発病し、発熱、紅斑、肝障害(黄疸)、下痢、下血などの症状が続き、最終的には骨髄の無形成、汎血球減少、多臓器不全となるなど、致死的な経過をたどる可能性がある。

これの発症の予防策は唯一、輸血用血液製剤に15〜50Gyの放射線照射を行うことである。特に採血後まもない新鮮血を使用する場合はこれは必須であるが、緊急時で照射血液が即座に手に入らない場合は未照射血液であろうと輸血する。

皮肉にも輸血後GVHDは、HLA(ハプロタイプ)ホモの供血者からそのHLAハプロタイプを持つヘテロの患者への輸血で起きる可能性が高いため、近親者同士で起きやすいのである。

したがって、昔の医療ドラマではありがちな、交通事故で瀕死の息子に父が横で必死に自分の血液を輸血するシーンは今はほとんど見られない。

※HLA(ヒト白血球抗原)とは、ヒトの有核細胞で発現している非自己を見分けるための抗原である。

また、GVHDは白血病などで造血幹細胞移植を行う場合、逆に治療として歓迎される場合がある。それは移植されて入ったTリンパ球が白血病細胞を排除するような免疫応答が起きるからである。これをGVL効果といい、白血病で有効な治療手段となっている。

-血液科

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