側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎)の疫学・症状・診断・治療

側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎)の疫学、症状、診断、治療

側頭動脈炎(TA:temporal arteritis)とは、大動脈とそれから頸部に上行して分岐する動脈の炎症で、主に頸動脈や浅側頭動脈、眼動脈、顔面動脈などを主病変とする疾患です。しばしばリウマチ性多発筋痛症(PMR)を合併します。

疫学

60歳以上の高齢者に見られ、女性にやや多い傾向にあります。白人に多く、日本人には少ない病気と言われています。また、巨細胞性動脈炎の約50%にリウマチ性多発筋痛症(PMR)、PMRの約10〜20%に巨細胞性動脈炎を合併します。

症状

側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎)の疫学、症状、診断、治療

  • 側頭部の発赤
  • 片側性拍動性頭痛:片方の側頭動脈が触れなくなる
  • 不明熱、関節痛、筋肉痛などの全身症状
  • 顎跛行・舌跛行
  • 視力障害(黒内障):突然の失明
  • リウマチ性多発筋痛症(50%):四肢近位の多発性筋痛と体重減少を認めます。HLA-DR4という遺伝子型が関与しているとも考えられています。

診断

検査

側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎)の疫学、症状、診断、治療

  • 赤血球沈降速度(ESR)>50mm/h、CRP強陽性、リウマトイド因子(-)
  • 眼底に視神経乳頭の虚血性変化、網膜の綿花様白斑、小出血
  • 側頭動脈生検:血管壁に浸潤する巨細胞を伴う肉芽腫性病変

確定診断は病変部、主に側頭動脈の生検によって血管壁に浸潤する巨細胞を伴う肉芽腫性病変の証明によって行われます。

治療

ステロイド(プレドニゾロン)が著効すると言われています。初期は40〜60mg/日と大量投与を行い、眼症状がすでにある場合はステロイドパルス療法を行います。突然の失明があるため、生検結果を待たず疑わしいときはすぐに治療が開始されます。