ペニシリン系抗生物質の作用機序と効果、副作用|細胞壁合成阻害薬

投稿日:2017年9月22日 更新日:

ペニシリン系抗生物質とは、静脈内使用のペニシリンG(PCG)や、経口投与のペニシリンV、ペニシリンG耐性菌に用いるメチシリンなどを含む抗生物質群である。ペニシリン抗生物質は、ブドウ球菌や連鎖球菌によって引き起こされる細菌感染に対して有用性が確認された最初の薬物の一つである。ペニシリンは、現在でも臨床で用いられているが、多くの種類の細菌が耐性を発達させているのも事実である。

ペニシリンは、スコットランドの科学者アレクサンダー・フレミングによって1928年に発見された。感染症を治療するために用いられ始めたのは1942年である。現在では、ニューキノロンやテトラサイクリンなど様々な抗菌薬が存在するが、それらの開発の礎はこのペニシリンから始まっている。

細菌は絶えず、増殖し分裂しているが、このとき同時にペプチドグリカンの細胞壁の一部を分解し、再構築している。β-ラクタム抗生物質は、この細菌細胞壁におけるペプチドグリカンの架橋形成を阻害することで細菌を急速に死滅させている。

グラム陽性菌は、細胞壁を失うとプロトプラストと呼ばれる。グラム陰性菌はペプチドグリカン層が薄いため細胞壁を完全には失わず、ペニシリンで処理した後はスフェロプラストと呼ばれている。

ペプチドグリカン合成の阻害により、アミノグリコシド系抗生物質は細菌細胞壁により容易に浸透することができ、細胞内の細菌タンパク質合成をより強く阻害することができる。このためペニシリンはアミノグリコシドとの相乗効果を示す。

ペニシリン系抗生物質まとめ

薬物名 特徴
ペニシリンG(PCG) 代表的な抗菌スペクトルの狭いペニシリンで、内服では胃酸で分解されるため注射で使用する。梅毒とトレポネーマに有効である。
メチシリン(DMPPC) 細菌のβラクタマーゼによる影響を受けないため、PCG耐性菌に有効。
アンピシシリン(ABPC) 広域スペクトルのペニシリンで、インフルエンザ桿菌や大腸菌、サルモネラ菌にも有効
アモキシシリン(AMPC) ABPC類似の広域ペニシリンで、グラム陽性菌とグラム陰性菌の一部に効く。呼吸器・尿路感染症に使用。

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