Ⅰ型呼吸不全とⅡ型呼吸不全

投稿日:2017年1月4日 更新日:

  Ⅰ型呼吸不全 Ⅱ型呼吸不全
病態 拡散障害、左右シャントによりO2とCO2の拡散能に問題がある状態 肺胞低換気やCOPDなどにより、ガス交換がうまくできていない状態
検査 PaO2≦60Torr , PaCO2≦45Torr
A-aDO2(肺胞動脈血酸素分圧較差)の開大を認める
PaO2≦60Torr , PaCO2≧45Torr
原因 肺気腫、肺線維症、ARDS、肺動静脈瘻、肺血栓塞栓症など 重症気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などによる肺胞低換気
治療 慢性時は、在宅酸素療法(HOT) 人工換気療法

呼吸不全とは室内吸入時の動脈血酸素分圧PaO2が60Torr以下に低下している状態の呼吸障害をいう。これは、PaCO2が45Torr以下のⅠ型呼吸不全とPaCO2が60Torr以上のⅡ型呼吸不全に分類されている。

Ⅰ型呼吸不全とⅡ型呼吸不全

Ⅰ型呼吸不全は、肺胞の拡散障害や動静脈のシャント、換気血流比不均等などにより、肺胞気-動脈血酸素分圧較差(A-aDO2)が開大している状態を呈する。
たとえば原因が肺胞の拡散障害にあるとすれば、肺胞は静脈血を完全に酸素化できず、末梢の低酸素血症を引き起こすことになる。このときCO2は拡散力がもともと高いため、PaCO2が上昇することはない。ただし、Ⅰ型呼吸不全からⅡ型呼吸不全への移行は十分に考えられる。

一方、Ⅱ型呼吸不全は呼吸中枢の麻痺などにより肺胞でのガス交換が十分に行われないことにより生じる。そのため、PaCO2は45Torr以上に大きくなり高炭酸血症を来し、肺胞低換気を伴う。また肺胞低換気のみの場合であれば、A-aDO2の開大は認めない。
Ⅱ型の場合は、酸素補充だけでは効果が出ないことが多いため、その場合は人工換気療法(レスピレーター)の適用となる。PaCO2≧50Torrが長期間続いていたらナルコーシスを避けるために、低濃度の酸素投与(FiO2≦25%)にする。

補足:CO2ナルコーシス

PaCO2の高い状態が長く続くと、CO2受容体が鈍感になり、PaO2だけで呼吸数が調節される状態になる。ここで、高濃度の酸素をいきなり投与すると、呼吸数が抑制されてしまう。したがって、PaCO2≧50Torrの状態であれば、CO2ナルコーシスを懸念し、低濃度の酸素投与(FiO2≦25%)から始める。

-呼吸器科

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