糖尿病の症状、診断、治療

投稿日:2017年10月29日 更新日:

糖尿病とは、インスリン作用あるいは産生低下によって、血糖値の上昇と糖の利用障害が起きる病気である。利用可能なインスリンの産生が不足したり、あるいはインスリン自体の構造に問題があったりすると、細胞が糖を取り込めず、持続的な高血糖、脂質異常、代謝性アシドーシスになる。

糖尿病には膵臓がインスリンを十分に産生していない1型糖尿病と、産生されたインスリンに対して適切に細胞が応答できないことに起因する2型糖尿病がある。

糖尿病の症状

糖尿病の症状、診断、治療糖尿病の典型的な症状は、体重減少と口渇、多飲、多尿である。1型糖尿病では症状が急速に発症することがあるが、2型糖尿病ではゆっくりとした経過をたどり徐々に症状が進行する。

糖尿病が進行すると太い血管〜細血管まで広汎に障害されることで、さまざまな合併症を起こす。特に、網膜症、神経障害、腎症は糖尿病の3大合併症と言われている。

太い血管の病変では、動脈硬化の進行によって、脳梗塞、狭心症・心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症(ASO)などをきたす。

糖尿病の診断

1、糖尿病であることの診断

次のいずれかが見られた場合は糖尿病型と診断される。

  1. 血糖値(空腹時血糖値≧126mg/dl、75gOGTT2時間値≧200mg/dl、随時血糖値≧200mg/dl)
  2. HbA1c≧6.5%

血糖値を測定し、1の結果が見られた場合は同日にHbA1cを測定する。このとき、HbA1c≧6.5%であれば、初回検査だけで糖尿病と診断される。

また、糖尿病型でも、口渇や多飲、多尿、体重減少など明らかな糖尿病典型症状や網膜症などの合併があれば糖尿病と診断される。

HbA1cは過去1-2ヶ月の血糖値の平均を反映するため、慢性高血糖の指標とされており、HbA1c≧6.5では明らかに網膜症の合併頻度が増加すると言われている。

1型糖尿病の場合は、GAD抗体、IA-2抗体、インスリン自己抗体(IAA)、ZnT8抗体、膵島細胞抗体(ICA)など、いずれかの自己抗体が陽性となる。

2、インスリン分泌能の確認

体内のインスリンが分泌されていないインスリン依存状態である場合は不足しているインスリンを投与する必要があるため、確認のために血中・尿中Cペプチド(CPR)を測定する。

Cペプチドは、プロインスリンが分解され、インスリンとなる際に等モルで分泌される物質であるため、これを測定することでインスリン分泌能を間接的に評価することになる。

空腹時血中CPR≦0.6ng/ml、24時間尿中CPR≦20μg/日の場合は、インスリン依存状態、つまり1型糖尿病か進行した2型糖尿病である。

糖尿病の治療

糖尿病の治療は基本的に、1型の場合は食事運動療法とインスリン注射。2型では、第一に食事運動療法、そこから重症度に応じて経口糖尿病薬、インスリン注射を処方する。患者自身が糖尿病に対する病識をしっかり持てることも重要なので、日頃から主治医と二人三脚で治療に臨んでいけるようなコミュニケーションも大切にしたい。

血糖コントロールの目標は、合併症予防の観点ではHbA1c<7.0%、正常化を目指す際の目標はHbA1c<6.0%である。

食事運動療法

糖尿病の治療の基本であり、これと生活習慣改善に向けての糖尿病教育は常に必要とされる。患者の性や年齢、身体活動量、合併症の有無に応じて目標を決める。

食事療法はBMI22を維持できるエネルギー摂取量を、50〜60%の糖類、タンパク質は1.0〜1.2g/kg、残りの20〜25%を脂質で与える。

運動療法は、1回20〜60分の運動を少なくとも週3回以上は行うことが推奨されている。

薬物療法

食後血糖改善薬
αグルコシダーゼ阻害薬は二糖類をグルコースなどの単糖に分解し、腸管から吸収されやすい形に変換する小腸の管腔膜表面にあるαグルコシダーゼを阻害する。これによって食後の急激な血糖値の上昇を抑制する。

インスリン分泌作動薬
スルホニル尿素薬やDPP-4阻害薬は、膵ランゲルハンスβ細胞を刺激してインスリン分泌を促進させる効果がある。

インスリン抵抗改善薬
チアゾリジン系薬は標的細胞のインスリン感受性を高め、インスリン抵抗性を改善する効果がある。

インスリン注射
上記の薬で血糖値の低下が見られない場合は、インスリンの皮下注射を開始する。作用時間の長い中間型や持続型を、それぞれ1日2回、1日1回注射して基礎分用をまかなう。次に、食事による血糖上昇に対しては、速効型を1日3回食前に注射する。

糖尿病の合併症

小血管の損傷による目、腎臓、神経への合併症が特徴的。

糖尿病性網膜症

眼の網膜における最小血管損傷によって引き起こされ、前増殖型網膜症、増殖型網膜症に分類される。血管新生やその破綻により、硝子体出血、網膜剥離などを惹起し、著しい視力低下や失明をきたす。現在、成人の失明原因の第一位である。

糖尿病性腎症

腎臓の糸球体の細小血管障害により、糸球体が徐々に硬化症し、数が減っていく。その結果、糸球体内圧が上昇し、ネフローゼ症候群をやがてきたす。障害が進展すれば腎不全。現在、透析導入原因として第一位である。

糖尿病性神経障害

比較的早期に発症する末梢神経症状で、四肢遠位端(とくに下肢)の知覚障害、深部腱反射の低下、振動覚の低下、足底の潰瘍形成などが見られる。自律神経障害もまれではなく、発汗異常や四肢冷汗、起立性低血圧、インポテンツなどをきたす。

-内分泌科

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