プレドニゾロンの作用機序と効果、副作用

投稿日:2017年10月22日 更新日:

プレドニゾロンの作用機序と効果、副作用プレドニゾロンは合成コルチコステロイド薬であり、免疫抑制薬として特に有効である。潰瘍性大腸炎やCrohn(クローン)病など特定の炎症性疾患や自己免疫疾患、またHodkinリンパ腫などの癌を治療するためにも使われる。もはや万能と化した薬のようにも思えるが、重大な副作用を有するのも事実である。

コルチ(糖質)ステロイドとは

コルチステロイドとは副腎皮質ホルモンの一種であり、体内で抗炎症作用や抗アレルギー作用、タンパク分解促進、ACTH分泌促進、抗腫瘍作用などを示しているホルモンである。

プレドニゾロンは1955年に発見され、医療用に承認された日本国内に初導入のステロイド系抗炎症薬であり、今では臨床各科において最も重要な薬剤の一つとなっている。

プレドニゾロンの作用機序

プレドニゾロン(グルココルチコイド、以下GC)の正確な免疫抑制機序は不明であるが、これは細胞質内に入り、グルココルチコイド受容体(GCR)に結合し、GC/GCR複合体が核内に入り、炎症遺伝子の転写を停止すると考えられている。

プレドニゾロンの効果

プレドニゾロンは主に以下の疾患などに用いられる。

  • 内分泌疾患:慢性副腎皮質機能不全、副腎クリーゼ、亜急性甲状腺炎、甲状腺中毒症(甲状腺クリーゼ)、ACTH単独欠損症。
  • アレルギー性疾患:気管支喘息、花粉症、アナフィラキシーショック、血清病
  • 自己免疫性疾患:全身性エリテマトーデス(SLE)、皮膚筋炎/多発性筋炎、全身性血管炎(大動脈炎症候群、結節性動脈周囲炎、多発性動脈炎、Wegener肉芽腫症など)
  • リウマチ疾患:関節リウマチ、若年性関節リウマチ(Still病を含む)、リウマチ熱、リウマチ性多発筋痛症、強直性脊椎炎
  • 血液疾患:溶血性貧血、白血病(急性白血病、AMLの急性転化、CLL)、顆粒球減少症、特発性血小板減少性紫斑病、再生不良性貧血
  • 消化器疾患:Crohn病、潰瘍性大腸炎、自己免疫性肝炎、劇症肝炎、肝硬変
  • 肺疾患:サルコイドーシス、間質性肺炎(肺線維症)、放射線肺炎、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症、過敏性肺疾患、肺結核、胸膜炎
  • 神経疾患:髄膜炎、脳脊髄炎、末梢神経炎(Guillain-Barré症候群など)、ジストロフィー、重症筋無力症、多発性硬化症、顔面神経麻痺、小舞踏病
  • 悪性腫瘍:悪性リンパ腫(Hodgkinリンパ腫、菌状息肉症など)、好酸性肉芽腫、再発乳癌
  • 皮膚科疾患:湿疹・皮膚炎群、蕁麻疹、皮膚掻痒、紅斑症、水疱症(天疱瘡など)、膿疱症、色素異常症(白斑など)
  • 眼科疾患:ぶどう膜疾患(ぶどう膜炎、Vogt-小柳-原田病)、視神経疾患(視神経炎、虚血性視神経症)、結膜炎、角膜炎
  • 耳鼻科疾患:急性・慢性中耳炎、滲出性中耳炎、メニエール病、副鼻腔炎、喉頭炎、急性喉頭蓋炎

プレドニゾロンの副作用

プレドニゾロンの使用は多くの副作用を及ぼす。

  • 軽症副作用:満月様顔貌、浮腫、肥満、白内障、緑内障、多毛・脱毛、ミオパチー、月経異常、血栓症、出血、不眠
  • 重症副作用:糖尿病、消化性潰瘍、感染症悪化、高血圧症、精神障害、離脱症候群、副腎障害、骨粗鬆症(病的骨折・大腿骨頭壊死)

重症副作用は絶対に無視できないため、まずこれらのリスクがすでに考えられる患者に対しては慎重に検討ののち投与し、そしてこれらの症状が見られたら投与量を減らすか、中止を検討する必要がある。しかし、連用後に投与を急に中止すると、時に症状の再燃や発熱、頭痛、血圧低下、ショック等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行わなければならない。仮に離脱症状があらわれた場合には、直ちに再投与又は増量を行う。

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