プレドニゾロンの作用機序と効果、副作用

プレドニゾロン(PSL)は主に免疫抑制薬として使用されている合成コルチコステロイド薬です。皮膚科でよく出されるイメージですが、潰瘍性大腸炎Crohn病など特定の炎症性疾患、自己免疫疾患、またHodkinリンパ腫などの癌を治療するためにも使われています。さまざまな病気に効く万能薬ですが、結核や高血圧症などの患者では禁忌となるなど、重大な副作用を有するのも事実なので、それらも合わせて抑えておくといいでしょう。

ステロイドの作用機序

コルチステロイドとは副腎皮質ホルモンの一種であり、体内で抗炎症作用や抗アレルギー作用、タンパク分解促進、ACTH分泌促進、抗腫瘍作用などを有するホルモンです。

プレドニゾロンは1955年に発見された、医療用に承認された日本国内に初導入のステロイド系抗炎症薬であり、今では臨床各科において最も重要な薬剤の一つとなっています。

プレドニゾロンの正確な免疫抑制機序は完全には不明ですが、グルココルチコイド(GC)として細胞質内に入り、グルココルチコイド受容体(GCR)に結合し、GC/GCR複合体が核内に入り、炎症遺伝子の転写を停止すると考えられています。

プレドニゾロンの効果

プレドニゾロンは以下に挙げる疾患で用いられるが、これだけでも臨床の現場では非常に多岐にわたる状況で用いられていることがお分かりだろう。

  • 内分泌疾患:慢性副腎皮質機能不全、副腎/甲状腺クリーゼ、亜急性甲状腺炎
  • アレルギー性疾患:気管支喘息、花粉症、アナフィラキシーショック、血清病
  • 自己免疫性疾患:全身性エリテマトーデス(SLE)、皮膚筋炎/多発性筋炎、全身性血管炎(大動脈炎症候群、結節性動脈周囲炎、多発性動脈炎、Wegener肉芽腫症など)
  • リウマチ疾患:関節リウマチ、若年性関節リウマチ(Still病含む)、リウマチ熱、リウマチ性多発筋痛症、強直性脊椎炎
  • 血液疾患:AIHA、白血病(急性白血病、AMLの急性転化、CLL)、顆粒球減少症、特発性血小板減少性紫斑病、再生不良性貧血
  • 消化器疾患Crohn病潰瘍性大腸炎、自己免疫性肝炎、劇症肝炎、肝硬変
  • 肺疾患:サルコイドーシス、間質性肺炎(肺線維症)、放射線肺炎、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症、過敏性肺疾患、肺結核、胸膜炎
  • 神経疾患:髄膜炎、脳脊髄炎、末梢神経炎(Guillain-Barré症候群など)、重症筋無力症、多発性硬化症、顔面神経麻痺、小舞踏病
  • 悪性腫瘍:悪性リンパ腫(Hodgkinリンパ腫、菌状息肉症など)、好酸性肉芽腫
  • 皮膚疾患:湿疹・皮膚炎群、蕁麻疹、皮膚掻痒、紅斑症、水疱症(天疱瘡など)、膿疱症、色素異常症(白斑など)
  • 眼疾患:ぶどう膜疾患(ぶどう膜炎、Vogt-小柳-原田病)、視神経疾患(視神経炎、虚血性視神経症)、結膜炎、角膜炎
  • 耳鼻科疾患:急性・慢性中耳炎、滲出性中耳炎、メニエール病、副鼻腔炎、喉頭炎、急性喉頭蓋炎




プレドニゾロンの副作用

プレドニゾロンは上述したような多くの疾患の治療として非常に有用な反面、免疫系を抑える代償としてやはり多くの副作用を及ぼす可能性があることも忘れてはいけない。特に、結核や高血圧症、緑内障、血栓症などの患者に対しては禁忌となっている(詳しくはプレドニン錠の利用上の注意をチェック)。

  • 軽症副作用:満月様顔貌、浮腫、肥満、白内障、緑内障、多毛・脱毛、ミオパチー、月経異常、血栓症、出血、不眠
  • 重症副作用:糖尿病、消化性潰瘍、感染症悪化、高血圧症、精神障害、離脱症候群、副腎障害、骨粗鬆症(病的骨折・大腿骨頭壊死)

重症副作用は絶対に無視できないため、まずこれらのリスクがすでに考えられる患者に対しては慎重に検討後投与を行い、万一これらの症状が見られたら投与量の減量または投薬中止を検討する必要がある。しかし、ステロイド連用後に投与を急に中止すると、時に発熱、頭痛、血圧低下、ショック等の離脱症状があらわれる可能性があるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行わなければならない。仮に離脱症状があらわれた場合には、直ちに再投与又は増量を行う。

補足:ステロイド離脱症状はなぜ起きるか?

ステロイドを長期投与すると、負のネガティブフィードバックにより、脳下垂体の機能が抑制されACTHの分泌が低下し、副腎が刺激されなくなるため副腎皮質が萎縮し始める。するとその時点で、急にステロイドを中止するとかえって原疾患の悪化(リバウンド)を招くことも少なくない。こういったことを防ぐためにも、ステロイドの投与を中断する際は、段階的に漸減させる計画を練らなければならない。

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