潰瘍性大腸炎の症状、診断、治療

投稿日:2017年10月25日 更新日:

潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC)は、主に大腸の粘膜と粘膜下層を侵し、直腸やS状結腸から連続的にびらんや潰瘍が広がっていく非特異性炎症である。Crohn病と同様に、20〜30歳代の若年を契機とすることが多いが、小児や高齢者での発症も少なくない。

原因は不明であるが、遺伝性、自己抗体(抗大腸抗体)による自己免疫反応の異常や、腸内細菌叢の異常などが考えられている。

臨床症状としては粘血便を主症状とし、再発や寛解を繰り返しながら慢性的に経過するのが特徴的である。難治化すれば中毒性巨大結腸症や大腸癌などの合併を伴うこともある。

臨床症状

  • 典型症状:粘血便、下痢(感染性症状と酷似)、テネスムス
  • 重症例:発熱、体重減少、持続する腹痛、貧血、頻脈

潰瘍性大腸炎の重症判定の6項目
①1日6回以上の下痢 ②顕血便(+++) ③37.5℃以上の発熱 ④脈拍90/分以上 ⑤Hb 10g/dl以下 ⑥赤沈 30mm/hr以上

①、②の他に③または④を満たし、かつ6項目のうち4項目以上を満たすものを重症とする。

潰瘍性大腸炎の合併症

腸管合併症
狭窄・閉塞、瘻孔・膿瘍、中毒性巨大結腸症、サイトメガロウイルス腸炎、大腸癌

腸管外合併症
肝胆膵:原発性硬化性胆管炎(PSC)、肝硬変、膵炎
皮膚:壊疽性膿皮症、結節性紅斑
骨格筋・関節:多発性関節炎、骨粗鬆症、強直性脊椎炎
眼:虹彩毛様体炎、ぶどう膜炎、上強膜炎
心臓血管系:深部静脈血栓症(DVT)、血栓性静脈炎

診断

Crohn(クローン)病と潰瘍性大腸炎
細菌性、ウイルス性の感染性腸炎でないことを診断してから、潰瘍性大腸炎やCrohn病を疑い、大腸内視鏡を行う。

大腸内視鏡・注腸造影では大腸の血管透見像の消失や出血、発赤、びらん、潰瘍形成、偽ポリポーシスの多発、ハウストラ消失(鉛管像)などが認められる。

粘膜生検では、活動期では粘膜全層に広がるびまん性炎症性細胞浸潤や陰窩膿瘍、杯細胞の減少が見られる。しかしいずれも非特異的であるため、確定診断は内視鏡などの所見も踏まえ総合的に判断する。

治療

治療は軽症〜中等症例では、5-アミノサリチル酸やステロイド注腸で寛解導入を図る。反応性が悪い場合は経口PSL(プレドニゾロン)やAZA(アザチオプリン)を投与。さらに難治例では入院治療を必要とし、シクロスポリン持続点滴療法や白血球除去療法を考慮する。内科的治療で効果が見出せない場合は外科的治療となる。

病像の悪化はC.difficileやサイトメガロウイルス(CMV)が原因となっている可能性がある。ステロイドの投与はCMVの活性化につながるからだ。

合併症としての穿孔や急性腹膜炎、中毒性巨大結腸症、大腸癌などの重篤なものでは外科手術が絶対的適応となる。

中毒性巨大結腸症は緊急手術が必要な重篤な合併症で、穿孔をきたす例が約30%、緊急手術が行われるがその死亡率は50%と言われている。

-消化器科

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