インフルエンザ治療薬の作用機序と効果、副作用

抗ウイルス薬の作用機序は一般的に大きく分けて次の5つの機序があります。

①ウイルスの宿主細胞への侵入阻害
②ウイルスDNA合成阻害
③ウイルスmRNA転写阻害
④ウイルスタンパク質合成阻害
⑤ノイラミニダーゼ阻害

このうち、インフルエンザウイルスA型の予防および治療薬として用いられているアマンタジン(シンメトレル)は①、インフルエンザA型/B型に対して有効なオセルタミビル(タミフル)ザナミビル(リレンザ)は⑤です。

アマンタジンamantadine

アマンタジンは、ウイルスが宿主細胞に取り込まれる時に必須の、水素イオンチャネルとして機能するウイルス膜基質タンパク質M2を阻害することで抗ウイルス作用を発揮します。

副作用として、不眠、めまい感、運動失調などの軽症の神経症状から、幻覚やてんかんなどより重篤なものまで報告されています。

ちなみに、アマンタジンは黒質ニューロンの末端からのドパミン放出を促進する作用もあり、一部のParkinson病や脳梗塞後の意欲・自発性低下に対して有効とされています(過去にインフルエンザに感染したParkinson病患者に本薬を投与すると同時にParkinson症状も改善された経緯があった)。

オセルタミビルoseltamivir、ザナミビルzanamivir

オセルタミビルやザナミビルは、インフルエンザウイルスが自己複製プロセスにおいて重要とされるシアル酸類を糖タンパク質から切断する酵素であるノイラミニダーゼを阻害することで、ウイルスの新しいビリオンが複製されるのを抑制します。

オセルタミビルは経口、ザナミビルは吸入か経鼻的に投与します。感染後でも24〜48時間以内に投与すれば、症状の出現期間と程度を軽減することができると言われています。

副作用として、オセルタミビルは胃腸不快感と悪心、ザナミビルでは気道系刺激により気管支喘息やCOPD患者の増悪因子となりうるため、これらの患者では禁忌とされています。

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