子宮頸癌の原因、症状、診断、治療

投稿日:2017年11月7日 更新日:

子宮頸癌の症状、診断、治療
子宮頸癌はヒトパピローマウイルス16・18型(尖圭コンジローマの場合は6・11型)が関与する子宮頸部に発生する癌である。比較的30〜40代の若年で多産婦に多い特徴がある。患者は不正性器出血、骨盤痛、性交痛などを症状として訴える。

子宮頸癌は病型は80%が扁平上皮癌で、20%が腺癌である。扁平上皮癌の発生は、子宮頸部における円柱上皮が膣内の酸性環境や炎症の影響を受け、扁平上皮化生を起こすためそこにHPVが感染し繁殖することで起きると考えられている。

扁平上皮化生を起こしている上皮にはHPVが宿主の免疫システムを免れ持続感染しており、長期の歳月をかけて宿主の遺伝子にも変異を起こしまず異形成が起きる。軽度の異形成は自然消退するが、より病変が変異していくと上皮内癌、微小浸潤癌、浸潤癌へと進展していくのである。

子宮頸癌の原因

子宮頸癌の原因は基本的に性交時に感染するヒトパピローマウイルス(HPV)16・18型と考えられている。HPVは皮膚や粘膜に疣状病変を形成するDNAウイルスで、外陰や膣の尖圭コンジローマがHPVの感染によって発生することは古くから分かっていた。

子宮頸癌は疫学的にも、初回性交年齢が早い人に多いことが分かっており、性感染症としての側面も持つ。したがって、予防としての男性側のコンドーム着用は行うべきである。

また、HPVのワクチンは高リスクである6・11・16・18型をカバーしており、このワクチンの接種で90%は子宮頸癌を防ぐことができると言われている。

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子宮頸部dysplasia ヒトパピローマウイルス特有のコイロサイトーシス(核周囲空胞)が見られる

子宮頸癌の症状

初期は無症状であるが、進展すると不正性器出血、下腹部痛、腰痛、尿路障害などを伴う。性交中の中程度の痛みや膣分泌物も、子宮頸癌の症状である。
子宮膿腫が生じた場合には、子宮が多量の膿を排泄しようと収縮し陣痛様の下腹部痛を生じる現象が起きる。これをSimpson徴候という。

子宮頸癌の診断


子宮頸癌の診断確定には、子宮頸部のコルポスコピー(膣拡大鏡)下の狙い生検による組織診が必要である。コルポスコピーは肉眼的には発見できない異形成/上皮内癌および微小浸潤癌の病変の同定に不可欠である。

コルポスコピーを介して行われる組織診では、子宮頸管の表面上の異常細胞を強調するために、子宮膣部表面を3%酢酸溶液で処理すると上皮が白色に変化する病変として観察される。異常所見としては、白色斑以外に赤色斑、モザイクなどが重要である。

また、双合疹、直腸診で傍組織浸潤などの有無を確認する。臨床病期の決定には、膀胱鏡、直腸鏡、単純エックス線、静脈性尿路造影を使う。

子宮頸癌のステージ分類

ⅠA 組織学的にのみ観察できる微小浸潤癌
ⅠB 肉眼的に明らかな病巣が子宮頸部に限局しているもの
癌が頸部を超えて広がるが、骨盤壁または膣下1/3には達成していないもの
癌が骨盤壁または膣下1/3には達成しているもの
癌が小骨盤腔を超えて広がるか、膀胱または直腸粘膜を侵すもの

子宮頸癌の治療

基本的には、早期癌(0期〜Ⅱ期)までは外科的手術、進行癌(Ⅲ期、Ⅳ期)は化学療法である。

  • 異形成、上皮内癌→円錐切除術
  • ⅠA期→準広汎子宮全摘術
  • ⅠB〜Ⅱ期→広汎子宮全摘術(所属リンパ節+子宮傍組織)
  • Ⅲ期→放射線+化学療法
  • Ⅳ期(膀胱、直腸、肝、肺転移)→化学療法

臨床進行期が進むほど予後が悪く、ⅠA期患者の5年生存率は90%、Ⅱ期は70%、Ⅲ期は40%、Ⅳ期は10%である。

-産婦人科

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