GFR(糸球体濾過量)とeGFR

投稿日:2017年11月29日 更新日:

GFR(糸球体濾過量)とeGFR糸球体濾過量(glomerular filtration rate;GFR)とは、腎臓がどれだけ老廃物を尿に排泄するかを表し、尿細管で再吸収も排泄もされない物質(クレアチニンやイヌリン、チオ硫酸ナトリウム)に注目し算出される。臨床では、測定を簡便にするためにもともと筋肉中にも存在しているクレアチニンが用いられる。

GFRの基準値は、100〜120ml/分である(ただし、施設により基準値は異なる)。GFRが低いほど、腎障害の重症度は大きいことを示す。

GFRの算出方法

慢性腎臓病の診断基準のGFRでは、イヌリン・クリアランス(Cin)が最適であるとされているが、定時的な尿採取や持続的な静脈注射が必要であるため、あまり実用的でなく、クレアチニン・クリアランス(Ccr)の方が多く利用されている。Crはすでに血中で定常状態であるため、採血と一定時間の蓄尿のみで済み、比較的測定を早く行える。

Crは尿細管で再吸収も排泄もされないため、1分間で濾過されたCr量と1分間あたりの尿に排泄されたCr量は同じはずである。したがって、以下の式が成り立つ。

(血中Cr濃度)×(1分間に濾過される血液量)=(尿中Cr量)×(1分間の尿量)

このとき、血中Cr濃度をP、尿中Cr量をU、1分間の尿量をV(ml/分)とすると、GFR=1分間に濾過される血液量であるため、GFRは以下のように表される。

GFR = (U/P)×V (ml/分)

このときのU/Pがクレアチニン・クリアランス(Ccr)と呼ばれている。

また、健常人のGFRが100ml/分であるとすれば、1日の濾過量は100×60×24=144000mlであり、原尿の99%が再吸収されるため、このうち1%が尿として排泄されると考えると、1日に1440ml(約1.5L)我々はトイレで排泄しているということが分かる。

推算糸球体濾過量(eGFR)

ただし、上記で述べたGFRの測定は、蓄尿や事前の処置が煩雑で時間がかかるため、日常診察では日本腎臓学会が2008年に発表した日本人向けGFR推算式(eGFR)を用いることが多い。

男:194×年齢-0.287×血清Cr-1.094×(体表面積/1.73)
女:194×年齢-0.287×血清Cr-1.094×(体表面積/1.73)×0.739

※18才以上の成人が対象となる。

上記の式によって、血清Cr値と年齢、性別の情報を代入するだけでGFRを推定できる。つまり、GFRは血清Cr値が同じでも患者の年齢や性別によって大きく異なってくることを示している。

eGFRの基準値

eGFR(ml/分/1.73m2 評価
G1 90< 正常または高値
G2 60〜89 正常または軽度低下
G3a 45〜59 軽度または中等度低下
G3b 30〜44 中等度または高度低下
G4 15〜29 高度低下
G5 <15 末期腎不全

eGFRの単位(ml/分/1.73m2)に含まれる1.73m2は、日本人の標準的な体型(170cm/63Kg)のおける平均体表面積に換算した補正値であることを意味している。

慢性腎臓病(CKD)

近年では慢性腎不全の発症を予防するために、より早期の状態から腎臓を管理するために慢性腎臓病(CKD)の概念が取り上げられている。慢性腎臓病では末期腎不全と心血管病のリスクが高くなる。

慢性腎臓病の診断基準

  1. 腎障害の存在が明らか:蛋白尿≧0.15g/gCr、あるいはアルブミン尿≧30mg/gCr
  2. GFRが60mL/分/1.73m2未満

1か2、あるいは両方が3ヶ月以上継続した場合を慢性腎臓病と診断している。

慢性腎臓病の重症度分類

慢性腎臓病の重症度分類

腎臓病の重症度はeGFRの程度と蛋白尿の程度によってA1〜A3に分類されている。緑を基準に、右下に行くほど重症。

-腎泌尿器科

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