ネフローゼ症候群の診断基準、原因、病態

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ネフローゼ症候群とは、糸球体からタンパク質がざるのようにダダ漏れになり、尿中蛋白の増加および血中アルブミンの低下を認める状態である。血中アルブミンが低下した結果、血漿膠質浸透圧が低下し、下腿や顔面における浮腫や代償性変化で肝臓でのLDLコレステロール産生が増加することによる脂質異常症などが見られる。

原因には、巣状分節性糸球体硬化症、膜性腎症や微小変化型など一次性に起きるものや、アミロイドーシス、膠原病、多発性骨髄腫など二次性におきるものが考えられる。

ネフローゼ症候群の診断基準

  • 1日尿タンパク量≧3.5g
  • 血清アルブミン<3.0g/㎗(血清総蛋白6.0g/㎗以下も参考になる)
  • 脂質異常症
  • 浮腫

脂質異常症と浮腫は参考程度。小児の場合は診断基準が異なる(後日追記予定)。

ネフローゼ症候群の原因疾患

一次性ネフローゼ

  • 微小変化群
  • 巣状糸球体硬化症
  • 膜性腎症
  • 膜性増殖性糸球体腎炎

上記が代表的であるが、急性糸球体腎炎や急速進行性糸球体腎炎、IgA腎症も長期化すれば本疾患を起こす。小児では微小変化群が90%を占めている。

続発性ネフローゼ

  • 糖尿病性腎症
  • アミロイドーシス
  • SLE(ループス腎炎)
  • 感染症(特にB型、C型肝炎)
  • 多発性骨髄腫
  • 悪性リンパ腫
  • 薬剤性(NSAIDs、金製剤など)

ネフローゼ症候群の病態

腎糸球体は、腎臓に流れる血液を濾過しており、小さな孔をもつ毛細血管はタンパク質のような大きな分子ではなく、分子量40,000以下の小さな物質のみが通過できるようになっている。

このフィルター構造が炎症や自己抗体により障害されることで、アルブミンやアンチトロンビン、免疫グロブリンなどの物質を通過させ高度なタンパク尿を生じさせてしまう。その結果、血漿膠質浸透圧が低下し、凝固系が亢進する。

ネフローゼ症候群では、2つの代償性変化が起きる。

肝臓でのアルブミン合成

失ったアルブミンを補うために、肝臓でのアルブミン合成が亢進する。このとき、同時にLDLコレステロールやコリンエステラーゼ、フィブリノーゲンまで合成される。これにより、血栓合併症や脂質異常症をきたす。

レニン-アンジオテンシン-アルドステロン(RAA)系の亢進

アルブミンの低下で、膠質浸透圧が低下し組織に水が移動するため、hypovolemicとなりこれを代償するためにRAA系が亢進し、Naの再吸収量が増加する。

-腎泌尿器科

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