β2ミクログロブリン

投稿日:2017年12月2日 更新日:

β2ミクログロブリン(B2M)は全身の有核細胞に存在するHLAclassⅠを構成する低分子タンパク質(分子量:11800Da)である。HLAclassⅠとは、免疫系が自己と非自己(外来抗原)を区別するための自他認識のマーカーである。

B2Mは糸球体で濾過された後は、近位尿細管で99%再吸収される。尿細管の障害により再吸収が低下し、尿中のB2Mが増加する。

またウイルス感染や、腎疾患、膠原病、自己免疫疾患、悪性腫瘍などで細胞性免疫の活性化や標的臓器の細胞のターンオーバーが亢進する際に、HLAclass1抗原の発現が高まるため、B2M分子が増加する。

AIDSではCD4陽性細胞の減少によりCD8(HLAclass1)細胞が相対的に増加し、ここから産生されるINF-γの作用により全身の細胞からのβ2Mの産生が増加し、血中濃度が上昇する。

したがって、血清および血漿中のB2Mは細胞性免疫系の活性化マーカーおよび腫瘍マーカーとなり、尿中のB2Mは腎臓の濾過障害の評価につながる。

基準値:尿中230μg/L以下、血中0.5~3mg/l

このほかにも、尿細管障害の鋭敏な指標としては、低分子量蛋白である尿中NAGや尿中α1ミクログロブリンなどがある。

尿細管障害をきたす主な疾患

原因 代表例
血液疾患 骨髄腫腎(cast nephropathy、アミロイドーシス、免疫グロブリン軽鎖沈着症)
代謝・電解質異常 通風腎、高カルシウム血症
急性尿細管壊死 敗血症、腎虚血(心血管手術後・ショック)
全身性疾患 サルコイドーシス、Sjögren症候群
感染症 腎盂腎炎、腎結核
薬剤性 抗生物質、NSAIDs、放射線造影剤、抗てんかん薬、腎毒性抗癌薬、漢方薬
重金属中毒 リチウム、鉛、カドミウム、水銀

-基本用語

Copyright© MEDY , 2017 All Rights Reserved Powered by AFFINGER4.