内鼠径(直接鼠径)ヘルニア | 外鼠径(間接鼠径)ヘルニア | |
疫学 | 中年男性に多く、鼠径ヘルニア全体の1%。お腹に力を入れると起きやすいため、便秘気味の人に多い。 | 小児に好発。内鼠径ヘルニアの2倍の頻度で発症する。 |
病態 | 腹壁の薄い浅鼠径輪から直接脱出 | 深鼠径輪から鼠径菅をへて浅鼠径輪に脱出 |
嵌頓 | まれ | 乳児期に好発 |
治療 | 絞扼が見られない場合は、用手還納法(ようしゅかんのうほう)を試み、戻らない場合はすみやかに手術。還納された場合でも待機的手術を行う。また絞扼を疑う場合は腸管壊死部が穿孔する場合があるため用手還納法は禁忌。 |
解剖学的には、直接鼠径ヘルニア、間接鼠径ヘルニアと呼ばれ、臨床では内鼠径ヘルニア、外鼠径ヘルニアと呼ばれる。一般的には脱腸と呼ぶことが多い。
小児では啼泣(ていきゅう)時や哺乳後など腹圧の高いとき、成人では立位、歩行時に鼠径部の膨隆が認められます。治療法として、ヘルニアバンドや脱腸帯といった市販の装具で脱出部を圧迫する患者が多いですが、絞扼に至る可能性が高いので、早期の外科手術を促します。
図:左が外鼠径ヘルニアで、右が内鼠径ヘルニア
参考:http://www.shonan-atsugi.jp/?page_id=129