内鼠径(そけい)ヘルニアと外鼠径ヘルニアの違いは?

鼠径ヘルニアとは、鼠径靱帯の上方で、鼠径輪から脱出するヘルニアのことを言います。脱出部位によって、内鼠径ヘルニア外鼠径ヘルニアに大別されています(解剖学的には、直接鼠径ヘルニアと間接鼠径ヘルニア)。一般の方は、脱腸と呼ばれる方が多いでしょう。

下腹壁動静脈を基準とし、それより内側で腹壁の薄い浅鼠径輪から直接脱出するのが内鼠径ヘルニア、それより外側で深鼠径輪から鼠径菅をへて浅鼠径輪に脱出するのが外鼠径ヘルニアです。

内鼠径ヘルニアも外鼠径ヘルニアも、加齢性の筋肉の衰えとして、高齢の方なら両方認められることがあります。小児の場合は、先天的な腹膜鞘状突起の開存により外鼠径ヘルニアの方を生じさせます。

診断は鼠径部での膨隆が確認できれば容易でしょう。小児では啼泣(ていきゅう)時や哺乳後など腹圧の高いとき、成人では立位・歩行時に明瞭になります。治療法として、ヘルニアバンド脱腸帯といった市販の装具が販売されていますが、素人が無理に触ると絞扼に至ることもありますので早期の外科手術推奨です。

外鼠径ヘルニアの場合は、1歳を過ぎると自然治癒は期待できません。

図:左が外鼠径ヘルニアで、右が内鼠径ヘルニア
内鼠径(そけい)ヘルニアと外鼠径ヘルニアの違いは?
Via:http://www.shonan-atsugi.jp/?page_id=129

内鼠径ヘルニアと外鼠径ヘルニアのまとめ

  内鼠径ヘルニア 外鼠径ヘルニア
疫学 便秘気味の中年男性に多く、鼠径ヘルニア全体の1% 小児に多く、内鼠径ヘルニアの2倍の頻度で発症
病態 腹壁の薄い浅鼠径輪から直接脱出 深鼠径輪から鼠径菅をへて浅鼠径輪に脱出
嵌頓 まれ 乳児期に好発
治療 絞扼が見られない場合は、用手還納法を試み、戻らない場合はすみやかに手術。還納された場合でも待機的手術を行う。また絞扼を疑う場合は腸管壊死部が穿孔する場合があるため用手還納法は禁忌。
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