内毒素(エンドトキシン)と外毒素(エクソトキシン)

投稿日:2016年12月25日 更新日:

  内毒素 外毒素
成分 リポ多糖(LPS)
グラム陰性菌の外膜成分
タンパク質、ポリペプチド
菌体内で生成される
毒性 やや弱い(菌により毒性は共通) 菌により毒性は異なるが、比較的強い
免疫原性 弱い(抗毒素抗体ができない) 強い(トキソイドとしてワクチンに利用できる)
耐熱性 基本あり 加熱により消滅(ただし黄色ブドウ球菌の毒素は耐熱性)
主な細菌 グラム陰性菌
大腸菌、腸内菌(バクテロイデス属、大腸菌、プロテウス属)
グラム陽性球菌
黄色ブドウ球菌、A群β溶連菌
グラム陽性桿菌
ボツリヌス、破傷風、Clostridium difficile
グラム陰性桿菌
腸管出血性大腸菌(EHEC)、コレラ、赤痢菌

内毒素(エンドトキシン)はグラム陰性菌(緑膿菌、大腸菌など)の細胞壁成分であり、菌種間で非特異的に存在する。菌体の破壊によって遊離されるため、積極的に細菌から分泌されるわけではない。

βラクタム系の抗菌薬を用いたときに、このエンドトキシンが血中に遊離することでショック状態を引き起こす。これをエンドトキシンショック(抗生物質誘導性エンドトキシンショック)といい、敗血症や播種性血管内凝固(DIC)などの病態を引き起こす可能性がある。

一方、外毒素(エクソトキシン)の毒性は細菌に特異的しており、主に黄色ブドウ球菌やA群β溶連菌などのグラム陽性球菌、破傷風やボツリヌス、ウェルシュ菌、Clostridium difficileなどのグラム陽性桿菌、または大腸菌にも存在している。そのため外毒素はトキソイドという特異的な細菌のワクチンに利用することができる。

主なエクソトキシンの種類

  • 黄色ブドウ球菌:エンテロトキシン、TSST-1
  • A群β溶連菌:ストレプトリジンS、ストレプトリジンO
  • 腸管出血性大腸菌(EHEC):ベロ毒素
  • コレラ:コレラ毒素
  • ボツリヌス菌:ボツリヌス毒素
  • 赤痢菌:志賀毒素
  • 破傷風:破傷風毒素
  • ウェルシュ菌:α毒素(レシチナーゼC)
  • Clostridium difficile:A毒素(腸管毒)、B毒素(細胞毒)

-微生物学

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