真菌感染症の原因菌、症状、診断、治療

投稿日:2017年12月14日 更新日:

主な真菌感染症の原因菌

アスペルギルス症

Aspergillus fumigatus
主な病原菌はAspergillus fumigatus。本菌群は主に土壌や家屋などの特に高温多湿な自然環境中に広汎に生息しており、胞子が日常的に空気中に浮遊している。本症の発症は白血病や抗癌剤の使用などで好中球(自然免疫)が減少したときに生じる。

侵襲性肺アスペルギルス症
侵襲性肺アスペルギルス症
アスペルギルスの胞子は空気中に浮遊しているため、これを易感染時に吸引することにより、肺に病変が作られる。発熱、悪寒、胸痛、血痰などを呈し、血清β-Dグルカンの上昇、血中アスペルギルス特異抗原が陽性となる。X線/CTで結節影、浸潤影、空洞性病変などを呈する。
アムホテリシンBやアゾール系(とくにポリコナゾール)により、確定診断前に治療が開始されることが多いが、予後は不良。
肺アスペルギローマ(菌球型肺アスペルギルス症)
肺結核、サルコイドーシスなどの空洞性病変に二次的にアスペルギルスが侵入し、菌球を形成する疾患である。症状は通常緩徐に進行し、周囲の肺を破壊していく。X線/CTで特徴的な菌球(fungus ball)を呈し、根治療法はこれの外科的切除を第一選択とする。

ニューモシスチス症

Pneumocystis jirovecii
主な病原菌はPneumocystis jirovecii。外界に広く存在し、AIDSなど細胞性免疫能の低下により日和見感染として発症し、低O2血症を伴った重篤な肺炎を引き起こす。
X線/CTでスリガラス陰影〜斑状陰影を呈し、血清β-Dグルカンの上昇、間質性肺炎の特徴である血清KL-6が上昇する。治療はST合剤、ペンタミジンを投与する。
ニューモシスチス肺炎

クリプトコッカス症

Criptococcus neoformans
主な病原菌はCriptococcus neoformans。鳩の糞に多く、空気中に浮遊している本菌を吸いこむことで肺炎や髄膜炎を発症。細胞性免疫能の低下した患者に多いが、健常者でも発症しうる。
X線/CTで中下肺野に孤立した結節陰影・空洞性病変を呈し、墨汁染色・Grocott染色で莢膜に包まれた円形ないし楕円形の菌体を確認することができる。治療はアムホテリシンBやアゾール系、5-FC(フルシトシン)を投与する。

肺クリプトコッカス症

カンジダ症

カンジダ
主な病原菌はCandida albicansで、酵母型と糸状型の混在した形で棲息している。皮膚や口腔、腸、膣などの常在菌で好中球減少または細胞性免疫能の低下により日和見感染で発症する。表在型では鵞口瘡(口腔内の白苔)、食道炎、膣炎などを呈し、深在型では敗血症を起こしうる。
検査では通常の炎症所見に加えて、β-Dグルカン、カンジダ特異抗原が上昇する。Sabouraud寒天培地による培養が可能。食道カンジダ症では、食道潰瘍による嚥下困難、前胸部違和感・疼痛などが見られ、内視鏡で白苔および潰瘍形成を認める。AIDSの指標疾患としても重要である。
食道カンジダ症

治療は、アムホテリシンB、アゾール系、キャンディス系を用いる。血管内カテーテルが原因で生じたカンジダ症は原則的にカテーテルを抜去する。

-微生物学

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