放射線被爆の確定的影響と確率的影響

投稿日:2017年11月10日 更新日:

確率的影響と確定的影響

確定的影響

確定的影響とは閾(しきい)線量以上の放射線に被爆すると現れる機能異常のことである。一定数以上のダメージが細胞に蓄積すると生じる。

全身被曝の代表的症候は造血器障害、消化管障害、皮膚障害、心血管・中枢神経障害がある。1Gy程度の被爆では一般的に無症状であるが、1〜3Gyの被爆で食欲不振や悪心、嘔吐など二日酔いに似た症状(放射線宿酔)が見られ、時間が経つと汎血球減少などを呈する。

8Gy以上の被爆では、腸管細胞壊死による重度の消化器症状が見られ、20Gy以上被爆すると、意識障害やショックなどの中枢神経症状がをきたす。

局所被爆では、1〜8Gyで一過性脱毛、紅斑を呈し、18Gy以上で皮膚が壊死する。当然ながら被爆線量が高くなるほど症状は強くなる。
水晶体が被爆すると、1〜2Gyで水晶体の混濁が起き、10Gy浴びれば白内障を呈する。水晶体は被爆の影響を受けやすいため、診療放射線技師も常に水晶体には放射線が当たらない角度で仕事している。

胎児への影響は100mGyを超えると、胎児奇形や精神発達遅滞などの症状として現れる。特に器官形成期の受精後8週までは奇形発生が起こりやすく、精神発達遅滞は中枢神経形成期の受精8〜16週に高いと言われている。

以前は10day's ruleといって、妊娠適齢期のある女性に放射線を当てるときは月経開始の10日以内に実施しなければいけなかった。しかし、現在は通常の診断被爆線量(100mGy以下)では、胎児の奇形やIQに影響は見られないことが確認されており、10day's ruleは廃止されている。

確率的影響

確率的影響は、突然変異による細胞の悪性化や遺伝的影響を指す。閾線量はなく、線量が多いほど癌化のリスクは直線的に増加すると考えられている。

広島・長崎の原爆被爆者の次世代をも対象とした疫学調査の結果、100mSv以上の被爆で有意な癌過剰発生が起きると考えられている。

-放射線科

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