放射線被爆の確定的影響と確率的影響

投稿日:2017年11月10日 更新日:

確定的影響

閾線量以上の放射線に被爆すると現れる機能異常。

全身被曝の代表的症候は造血器障害、消化管障害、皮膚障害、心血管・中枢神経障害がある。1Gy程度の被爆では一般的に無症状であるが、1〜3Gyの被爆で食欲不振や悪心、嘔吐など二日酔いに似た症状(放射線宿酔)が見られ、時間が経つと汎血球減少などを呈する。

8Gy以上の被爆では、重度の消化器症状が見られ、腸管の幹細胞が細胞死をきたすことで上皮細胞の供給が途絶え細菌感染に至り、8〜14日後に死亡する。

20Gy以上被爆すると、中枢神経に影響が現れ、被爆後数分以内に灼熱感、意識障害、悪心、嘔吐、ショック症状を伴い、48時間以内に死亡する。

局所被爆では、1〜8Gyで一過性脱毛、紅斑を呈し、線量が高くなるほど症状は強くなる。18Gy以上で皮膚が壊死する。
水晶体が被爆すると、1〜2Gyで水晶体の混濁が起き、10Gy浴びれば白内障を呈する。

胎児への影響は100mGyを超えると、胎児奇形や精神発達遅滞などの症状として現れる。逆に言うと、通常の診断被爆が100mGy以下なので、検査による被爆で胎児の奇形やIQの低下は見られないことが確認されている。したがって、以前提唱されていた10day's rule(妊娠適齢期のある女性に放射線を当てるときは月経開始の10日以内に実施する)も現在は撤廃されている。

確率的影響

確率的影響は、突然変異による細胞の悪性化や遺伝的影響を指す。閾線量はなく、線量が多いほど癌化のリスクは直線的に増加すると考えられている。

広島・長崎の原爆被爆者の次世代をも対象とした疫学調査の結果、100mSv以上の被爆で有意な癌過剰発生が起きると考えられている。

-放射線科

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