抗精神病薬の作用機序、効果、副作用

投稿日:2017年12月18日 更新日:

抗精神病薬は統合失調症や躁病などで見られる幻覚や妄想、精神運動興奮などの陽性症状を抑制する薬である。作用機序は中枢における抗ドパミン作用を示すものであり、第一世代(定型)と第二世代(非定型)に分かれている。

第二世代(非定型)抗精神病薬は(ドパミンおよびセロトニン受容体遮断薬)は、従来の抗精神病薬が無効であった統合失調症の陰性症状(意欲・行動障害)に対しても有効である。

種類 薬物名
フェノチアジン系 クロルプロマジン(ウインタミン)、レボメプロマジン(レボトミン)、ドリペリドール(ドロレプタン)
ブチロフェノン系 ハロペリドール(セレネース)
D2・5-HT受容体遮断薬 リスペリドン(リスパダール)、オランザピン(ジプレキサ)、ペロスピロン(ルーラン)、アリピプラゾール(エビリファイ)

抗精神病薬の作用機序

抗精神病薬の作用機序
第一世代と第二世代は共通して、脳内・末梢のドパミン受容体を遮断するものである。この結果、神経終末のドパミンが受容体に結合できず細胞内の反応が抑制され、統合失調症の症状が抑制される。

しかしこのとき、コリン受容体やアドレナリン受容体、ヒスタミン受容体を同時に抑制するためさまざまな副作用を引き起こす。

また、第二世代(たとえばリスペリドン)はセロトニン(5-HT2A)受容体の阻害効果も示し、、陰性症状に対しても効果があると言われており、現在は統合失調症に対する第一選択となっている。

抗精神病薬の効果

抗精神病薬の人体に対する効果としては以下のものが挙げられる。

  • 抗精神病作用:すべての抗精神病薬がドパミンD2受容体を競合阻害するため、幻覚や妄想を低減する。
  • 錐体外路作用:黒質線条体経路のドパミン受容体を阻害するために、当然パーキンソニズムを引き起こす。
  • 制吐作用:延髄の化学受容器引金帯(CTZ)にあるドパミン受容体を阻害することで効果が発現する。
  • 抗コリン作用:ドパミン受容体と同時にムスカリン受容体を阻害するために、特にクロルプロマジンやオランザピンでは便秘や尿閉などの症状が現れる。

抗精神病薬の副作用

  • 錐体外路症状:服用後数日から数週間で固縮や振戦などパーキンソン様症状
  • 抗コリン症状:便秘、口の渇き、胃部不快感等
  • 遅発性ジスキネジア:ドパミン抑制の代償反応としてドパミン受容体が増加(アップレギュレーション)が起きるためと考えられている。
  • 悪性症候群:脱水や感染が誘因となり、高熱や意識障害、腎不全などの致命的な経過をたどることがある。
  • 乳汁漏出症:ドパミンがプロラクチンを抑制しており、そのブレーキが外れるため。
  • 起立性低血圧:抗α1受容体を同時に阻害するため、立位で反応性の血管収縮が起こりにくくなる。

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