アンタゴニストと逆アゴニスト

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アンタゴニスト

アンタゴニストとは受容体に作用してアゴニストの作用を抑制、阻害する薬物のことである。抑制剤(inhibitor)、阻害剤(blocker)とも呼ばれる。受容体のアゴニスト結合部位に結合し、競合的に阻害する競合的アンタゴニスト(competitive antagonist)とアゴニスト結合部位とは別の場所に作用し受容体の構造的変化を起こす(いわゆるアロステリック効果)ことで阻害する非競合的アンタゴニスト(non-competitive antagonist)が存在する。ただし、アンタゴニストは後述する逆アゴニストと異なり、受容体自体の構成的活性を変えるわけではなく、基本的にただ結合するだけである。

逆アゴニスト

最初は受容体はアゴニストが結合してはじめて活性化されるものと考えられていた。しかし研究が進むにつれて、アゴニストが存在しなくても受容体は一定の活性化状態を保っていることが分かり、このアゴニスト非存在下での活性化状態を構成的活性、その活性を示す受容体を構成的活性化受容体と呼ぶようになった。逆アゴニスト(inverse agonist)はその受容体の構成的活性を阻害する薬であり、受容体の平衡を不活性化状態にシフトし安定化させる力がある。この構成的活性を持つ受容体には、GABA受容体やアンジオテンシン受容体、βアドレナリン受容体、ヒスタミン受容体などが存在する。

ただし、これまでアンタゴニストとして認識されていた薬物が実際には逆アゴニスト作用を有するということが分かった例も存在している。たとえばヒスタミンH1受容体は、活性型H1受容体と不活性型H1受容体で動的平衡状態を保って存在しており、抗ヒスタミン薬はこれにアンタゴニストとして作用すると考えられていた。
しかし近年、抗ヒスタミン薬はこの平衡状態を活性型ではなく、不活性型H1受容体に安定化させることで作用を発揮する逆アゴニストという一面も持っているということが明らかになった。

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