複合脂質代謝異常(リピードシス)|Niemann-Pick病、Gaucher病、Tay-Sachs病、Fabry病など

複合脂質代謝異常(リピードシス)とは家族性高コレステロール血症などの脂質異常症や、脂肪肝、動脈硬化症などに並ぶ脂質代謝異常の一つです。

これは、体内に異常な脂質が蓄積されて生じる疾患で、NiemannPick病Gaucher病Tay-Sachs病異染性白質ジストロフィーFabry病などがあります。

Niemann-Pick(ニーマン・ピック)病

中枢神経では神経細胞に、脾臓ではマクロファージに、脂質(スフィンゴミエリン)が蓄積する疾患。
スフィンゴミエリンは、神経細胞の軸索を膜状に覆うミエリン鞘の構成成分であり、これを代謝する酸性スフィンゴミエリナーゼを欠損することが原因です。

嘔吐、肝脾腫、腹部膨満で発症し、けいれん、四肢緊張、精神運動発達遅滞などを認めるようになります。

Gaucher(ゴーシェ)病

肝臓、脾臓、骨髄などにおいてマクロファージに脂質(グルコセレブロシド)が蓄積することによって生じる疾患になります。常染色体優性遺伝(AD)で、リピドーシスの中では最多です。
本症の患者はグルコセレブロシダーゼというグルコセレブロシドからグルコースを切り離す酵素が欠如しています。

Ⅰ型(成人型)、Ⅱ型(乳児型)、Ⅲ型(若年型)に分類され、発症年齢が早い方ほど予後不良です。実際、酵素補充療法による肝脾腫の著効はⅠ型のみとなっています。

Tay-Sachs(テイ・サックス)病

中枢神経に脂質(GM2ガングリオシド)がおsの代謝酵素、ヘキソサミニダーゼAのαサブユニットの異常により蓄積する疾患です。常染色体劣性(AR)パターンで遺伝します。

生後3~5ヶ月までは正常に発達しますが、徐々に精神発達遅滞や退行、けいれん、頭囲拡大を認め、最善の治療が施された患児であっても5歳頃までには死に至ります。したがって、まだ効果的に治療・治癒する方法はない難病となります。
本症の患者では目の網膜に「さくらんぼのような」紅い斑点(Cherry-red spot)がみられることも有名です。

異染性白質ジストロフィー

アリルスルファターゼAの欠損により、脳白質、末梢神経、腎臓などに脂質(スルファチド)が蓄積し、中枢および末梢神経障害をきたす疾患です。

検査において、髄液中の蛋白の上昇や、MRI・CTにおける白質ジストロフィーなどが認められます。他の疾患と同様、歩行障害や、精神運動発達遅滞がみられ、ほとんど有効な治療策は見つかっていません。遺伝子治療の発展を望むしかないでしょう。

Fabry(ファブリー)病

α-ガラクトシダーゼ欠損により、糖脂質(セラミドトリヘキソシド)が蓄積する疾患です。X連鎖劣性遺伝(XR)パターンで遺伝します。

四肢末端痛、皮膚の被角血管腫や低・無汗症など全身に症状が現れます。病気が悪化すれば腎機能、心機能、脳血管障害などを来たし、突然死することもあります。
治療は、対症療法酵素補充療法にて体内に足りない「α-ガラクトシダーゼ」を点滴で補充し、体に蓄積している不要な糖脂質を分解する方法となります。

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