コレステロール低下薬の種類・作用機序と効果、副作用

現在主に使われているコレステロール低下薬には、HMG-CoA還元酵素阻害薬、陰イオン交換樹脂、そしてプロブコールなどがあります。

一方、クロフィブラート系薬剤とニコチン酸系薬剤は、トリグリセリド低下作用が強いと言われています。

HMG-CoA還元酵素阻害薬

HMG-CoA還元酵素とは、肝臓におけるコレステロール生成の歳に働く律速酵素です。具体的には、HMG-CoAからメバロン酸を生成する際に働いています。
シンバスタチン(リポバス)プラバスタチン(メバロチン)フルバスタチン(ローコール)アトルバスタチン(リピトール)などいわゆるスタチン系の薬剤は、HMG-CoA還元酵素を阻害し、肝臓内のコレステロール合成を阻害します。


Via:https://blog.goo.ne.jp/kfukuda_ginzaclinic/e/73de126183af816a76716f060255cdc1
コレステロール合成が阻害されると、ネガティブフィードバックで、HMG-CoA還元酵素の量とLDL受容体の発現量が増えます。前者が増えることでコレステロールの生合成は回復しますが、後者の増加によって、血清コレステロールの取り込み量が増えるため、やはり血清LDLとコレステロールの低下がもたらされます。

スタチン系にはこの他に、血管内皮細胞機能の改善や、抗炎症作用など心血管イベントを抑制する効果があると考えられています。

副作用としては、頻度として不明ですが、横紋筋融解症や肝機能障害、過敏症、間質性肺炎など報告されています。

陰イオン交換樹脂(レジン)

コレスチラミンなどの陰イオン交換樹脂は、腸管内で胆汁と結合し、その腸肝循環を抑制することで、糞便中のコレステロールの排泄量を増加させます。

脂質の腸肝循環
コレステロールやリン脂質などの脂質は、胆汁に含まれながら小腸に排泄され、ミセルの形で小腸から97%が再吸収される。小腸で吸収された脂質はリンパ液によってリンパ管に取り込まれ、胸管を経て体循環に入り、門脈経由で肝臓へ戻る。
腸肝循環について詳しく

また、排泄される胆汁の分泌量が増えれば、肝臓はさらに頑張って胆汁を合成しようとし、減量であるコレステロールの含有量が減少します。これに伴い、LDL受容体の発現量を増加することで、血中でのLDLおよびコレステロールの濃度が低下します。

スタチン系とは作用機序の異なるものですが、最終的にどちらもLDL受容体を増加することで血清コレステロール濃度を低下させる方向に働くのです。

陰イオン交換樹脂の副作用としては、便秘や脂溶性ビタミンの吸収障害などが挙げられます。

プロブコール

プロブコール(シンレスタール、ロレルコ)は、体外へのコレステロールの排泄を促すとともに、抗酸化作用も有しており、Ⅱ型高脂血症の治療などに用いられています。コレステロールの低下作用については、ホモ変異の家族性高脂血症の患者にも有効であることから、LDL受容体を介さない機序での作用が考えられています。しかし、プロブコールは組織に蓄積したコレステロールを肝臓へ戻す働きをするHDLコレステロールの濃度まで低下させる可能性があることが治療上の難点とされています。

プロブコールの副作用としては他にも、QT延長、消化器症状、肝障害などが挙げられます。



フィブレート系薬剤

クロフィブレートなどのフィブレート系薬剤は、コレステロールよりもトリグリセリド(TG)の低下作用が強く、最も効率的にTGを下げる薬としてⅢ・Ⅳ・Ⅴ型高脂血症によく用いられています。

TGは、食事中からの吸収肝臓での合成の2点の経路により得られており、フィブレート系は肝細胞の核内受容体のPPARαを活性化させることで脂肪酸のβ酸化を亢進し、その結果TGとVLDLの産生を抑制することで、血中のTGを低下させます。

また、血中VLDL濃度が減少する結果、HDLからVLDLへコレステロール逆輸送が減少し、血中HDL濃度の上昇がもたらされます。

フィブレート系の副作用としては、横紋筋融解症、肝障害、消化器症状、胆石などが挙げられます。

ニコチン酸系薬剤

 ナイアシンなどのニコチン酸系薬剤は、肝臓でのVLDL合成を抑制する結果、強いトリグリセリド低下作用を示します。また、コレステロールの低下作用も示すため、Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ型高脂血症中心に、Ⅱ型の高脂血症でも使用可能です。フィブラート系と同様に、血中HDL濃度の上昇効果があります。

ニコチン酸系の副作用としては、顔面紅潮、頭痛、耐糖能異常、消化器症状、高尿酸血症などが挙げられます。

スポンサード・リンク
スポンサード・リンク