抗結核薬の作用機序と効果、副作用

結核菌は代表的な抗酸菌です。2類感染症として分類されており、空気感染により経気道的に発症します。治療は通常のβラクタム系などが効かないため、結核菌に特異的に作用する薬を用います。抗結核薬は一般に薬剤耐性化の抑制や抗菌力の相乗効果を期待して多剤併用療法が有効で、初回治療に用いられる薬には以下のものがあります。

イソニアジドisoniazid(INH)

抗結核薬の中では最も抗菌力が強く、結核菌に殺菌的に作用します。肝臓でNAT2によりアセチル化を経て代謝されます。
副作用としては、末梢神経障害肝機能障害があります。

リファンピシンrifampicin(RFP)

結核菌に対する抗菌作用はイソニアジドに次いで強力です。RNAポリメラーゼに作用することで、細菌のRNA合成を阻害します。経口的に投与され、吸収された後は腸肝循環を繰り返すため半減期は比較的長く保っています。
副作用として、血小板減少や肝機能障害、消化器症状があります。

ストレプトマイシンstreptomycin(SM)

抗結核薬として発見されたアミノグリコシド系抗生物質です。消化管からの吸収が不良のため、一般に筋注によって投与されます。耐性菌の発生頻度が高いため、他の抗菌薬との併用が必要です。
副作用として他のアミノグリコシド系と同様に、聴力障害腎機能障害があります。

ピラジナミドpyrazinamide(PZA)

一般的に経口で用いられ、作用機序は不明ですが、酸性下で発育が抑制されている結核菌に対して、本剤がイソニアジド・リファンピシンとの併用で有効とされています。
副作用として、肝機能障害、消化器症状があります。

エタンブトールethanbutol(EB)

ストレプトマイシンとの選択で用いられることが多い静菌的抗菌薬です。経口的に投与され、組織移行後にその大部分は代謝されず、糸球体濾過および尿細管分泌により排泄されます。
副作用として、球後視神経炎による視力障害、赤緑識別の障害があります。このため定期的な視力検査が必要となります。

覚え方:「SPIRE」
S:Streptomycin(ストレプトマイシン)
P:Pyrazinamide(ピラジナミド)
I:Isoniazid(イソニアジド)
R:Rifampicin(リファンピシン)
E:EB エタンブトール

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