閉塞性動脈硬化症(ASO)と閉塞性血栓性血管炎(Buerger病)の違いは?

閉塞性動脈硬化症(ASO)

閉塞性動脈硬化症(ASO)

閉塞性動脈硬化症とは、四肢主幹動脈のアテローム硬化によって狭窄や閉塞を生じた慢性閉塞性疾患です。間欠性跛行を特徴とした下肢の虚血症状を示します。50歳以上の高血圧や糖尿病などの基礎疾患を持っている中高年男性に多く、高齢化社会につれて増加傾向を示しています。
足関節上腕血圧比(ABI;上肢血圧に対する下肢血圧の比)≦0.9、造影CTや動脈造影で下肢動脈の虫食い像が見られます。

閉塞性血栓性血管炎(Buerger病)

閉塞性血栓性血管炎(Buerger病)

Buerger病は20〜30代若年男性の喫煙者に好発し、膝窩動脈や前腕動脈などの末梢の血管炎で起きる閉塞性疾患です。アテローム性動脈硬化は見られず、症状や所見は閉塞性動脈硬化症に類似しているため、臨床でもこの両者は鑑別に苦しむことがしばしばあります。
動脈造影では上の写真2)のように、動脈閉塞(先細り像)やコークスクリュー状即副血行路の発達が認められます。

ASOとBurger病の治療の共通点としては、まず禁煙指導です。特に、Buerger病は原因がタバコであることは明白なので、絶対的に患者は禁煙に望むことが大事です。

間欠性跛行に対しては運動療法により足の血流を良くすることが効果的です。また、中等度〜重度の跛行を認める場合は、薬物療法(血管拡張薬や抗血小板薬)や、さらには血行再建術や交感神経切除術など外科的治療が行われます。

間欠性跛行に対しては、腰部脊柱管狭窄症馬尾障害など神経性疾患との鑑別が重要です。ASOと腰部脊柱管狭窄症の合併例も6.7~26%存在すると言われています3)

閉塞性動脈硬化症と閉塞性血栓性血管炎の鑑別

  閉塞性動脈硬化症 閉塞性血栓性血管炎
好発 50歳以上の高血圧や糖尿病などの基礎疾患を持っている中高年男性 20〜30代若年男性の喫煙者
病態 動脈硬化による大血管の慢性閉塞 膝窩動脈や前腕動脈より末梢の血管炎
症状 間欠跛行、末梢動脈拍動の減弱 間欠跛行、末梢動脈拍動の減弱、下肢感覚障害、筋力低下
検査 下肢と上肢の血圧の比(ABI)≦1.0mmHg
動脈造影で、虫食い像・石灰化
動脈造影で、動脈閉塞(先細り像)やコークスクリュー状即副血行路の発達
治療 禁煙が重要。跛行が重度になると薬物療法(血管拡張薬・抗血小板薬)、効果が見られない場合はステントやバイバスなどの血行再建術が行われる

参考サイト:
(1)閉塞性動脈硬化症の治療法|さいたま市立病院
(2)Thromboangiitis Obliterans
(3)閉塞性動脈硬化症の診断─鑑別診断を含む[特集:閉塞性動脈硬化症を疑って診る]

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