高安動脈炎(大動脈炎症候群)と側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎)

  高安動脈炎(大動脈炎症候群) 側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎)
好発 アジア、中近東の20~30代若年女性 50歳以上の中高年女性
症状 発熱、血管痛、易疲労感、倦怠感、心不全、狭心症など 不明熱、関節痛、側頭部を中心とした発赤、片側性拍動性頭痛、顎跛行、複視
診断 上肢・上下肢の血圧左右差(※1)あり
CT/MRI、大動脈造影で大動脈分岐血管の狭窄の有無の確認
CRP、赤沈など炎症所見
浅側頭動脈の生検により、動脈壁に巨細胞
治療 ステロイドが第一選択
冠動脈の狭窄のなどの合併でバイバス手術
ステロイド著効
失明のリスクがあるため生検結果を待たずに即刻治療開始
合併症 視力障害(突然失明をきたす)
心血管:大動脈瘤、大動脈解離、大動脈弁閉鎖不全症(AR)
皮膚病変:壊疽性膿皮症、結節性紅斑
リウマチ性多発筋痛症(50%)、虚血性視神経症、脳動脈病変、冠動脈病変、大動脈瘤など

高安動脈炎は、中枢の大動脈から炎症が末梢に広がっていくのに対して、側頭動脈炎は首から上の末梢の側頭部から炎症を起こしていきます。

両方の疾患とも末梢に波及する血管炎症候群で、治療せず放っておくと網膜中心動脈の虚血により失明をきたす可能性があります(しかも突然に)。これを防ぐためにはなるべく迅速な治療が必要となります。

治療は副腎皮質ステロイド(プレドニゾロン)が著効する(2〜3日で全身症状が劇的に改善する)。初期は40〜60mg/日と大量投与を行い、眼症状がすでにある場合はパルス療法を行います。高安動脈炎の場合、狭窄の強い重症高血圧例では、狭窄血管へのステント留置や外科的にバイパス術などの血行再建術を施行する場合もある。

※1上肢と下肢の血圧差が拡大しうる疾患

  • 高安動脈炎(大動脈炎症候群)
  • 大動脈解離
  • 大動脈縮窄症

正常の収縮期血圧は上肢より下肢が20mmHgほど高い(下肢の方が心臓から遠いうえに、分枝する小動脈、細動脈のトータルの面積が大きいから)。