高Ca血症の典型的症状とそれを引き起こす原因は?

血中Caの値が正常値の最大12mg/dlを超えると、多飲多尿、元気消失、嘔吐、便秘、衰弱、せん妄などの高Ca血症の症状をきたす。多飲多尿を来すのは、Caが集合管におけるバソプレシンの受容体結合を阻害するためと考えられている。

高Ca血症をきたす機序としては、代表的なものに以下の4つの要因が挙げられる。

PTH、PTH関連蛋白産生↑ 原発性副甲状腺機能亢進症、PTHrP産生腫瘍、異所性PTH産生腫瘍など
VitD受容体シグナル経路の亢進 ビタミンD3製剤の過剰服用
悪性リンパ腫、肉芽腫性疾患などは活性型ビタミンDの産生を亢進させる
骨吸収↑ 甲状腺機能亢進症、多発性骨髄腫、転移性骨腫瘍など
尿細管Ca再吸収↑ サイアザイド系利尿薬の副作用など

副甲状腺ホルモンであるPTH(パラトルモン)は骨吸収を促して、血中Caを上昇させる効果がある。したがって、原発性副甲状腺機能亢進症や慢性腎不全に伴う続発性副甲状腺機能亢進症などにより、PTHが上昇すると高Ca血症をきたす恐れがある。

ビタミンDは活性型ビタミンD(カルシトリオール)として以下の3種類の機序により、血中のCa濃度を上昇させる作用があるため、ビタミンD3製剤の過剰服用などによっても高Ca血症を来すことはお分かりだろう。

①腸からのCaの吸収を上昇させ血中濃度を高める
②腎臓の働きによりCaの血中から尿への移動を抑制する
③骨吸収を亢進させる

骨吸収を促す疾患としては、他にも多発性骨髄腫、甲状腺機能亢進症、癌の骨転移なども挙げられる。
また、サイアザイド系利尿薬は遠位尿細管で、Na・Clの再吸収を抑制し、その代償として近位尿細管でのCaの再吸収を促進させることも分かっている。

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