罹患率と有病率

  有病率 罹患率
概念 ある時点における有病者の割合を指す。
有病者数÷人口
ある集団で一定期間に疾患に罹患した人の割合を指す。
罹患数÷人口×観察期間
利点 一時点の評価で把握できるため、罹患率と比べて測定が容易であること 特定の疾病の発生を直接示すため、因果関係を調べる際に役立つこと
欠点 疾病の発生状況を直接示さないこと
有病期間の短い疾患(すぐに治癒や死に至る病気)には適さないこと
調査期間中の継続的な追跡が必要となるため、非常に時間と労力を要すること
統計資料の利用範囲が狭いこと

有病率とは、観測集団においてある時点における有病者の割合、罹患率とは観測集団で一定の期間で疾患Xに罹患した人の割合を指しています。有病率は静的な概念、罹患率は動的な概念です。

有病率と罹患率の関係には以下が成り立っています

有病率 = 罹患率 × 有病期間

たとえば、人口20万人の都市があって、現在1000人の住人がある疾患に罹患しているとします。この都市では、この疾患に毎年50人の住民が新たに罹患し、20人の患者が死亡しているとします。

このとき、この疾患の罹患率は毎年の新規発生者数が分子となり50/200,000、有病率は疾患に罹患している患者の総数が分子となり1000/200.000となります。

罹患率の算出は患者調査により可能となります。



補足:有病率が異なれば、検査の信憑性も変わる

スクリーニング検査の感度、特異度は有病率と無関係に決まっており、陽性反応的中度は集団の有病率に影響されます。

たとえば、ある疾患の有病率10%、1000人の集団があるとしましょう。ここで、感度90%、特異度90%であるスクリーニング検査を行った場合、検査陽性は病気を持つ100人の中からの90人(90%)と病気を持たない900人の中からの90人(10%)となり、陽性反応的中度は90/180=50%となります。
一方、有病率5%、1000人の集団であるとすれば、検査陽性は病気を持つ50人の中からの45人と病気を持たない950人の中からの95人となり、陽性反応的中度は45/140=32%となります。

つまり、検査で陽性となっても、その集団の有病率によってその検査の信憑性(陽性反応的中度)は変化ことが分かります。

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